32本のレンズ紹介ということで先行していたイオスデジタル用の続編とも言えるのがこの本です。基本的にはイオスデジタルの紹介本と同様に、プロカメラマンの手になる作例写真を中心に各種のレンズを紹介しています。作例写真は前作よりもさらに洗練されたものになり、被写体の持つ材質感やテクスチャーといったものも見事に表現しているものばかりです。まさにレンズの購買意欲をそそる写真集といえましょう。
基本的なこととしてデジタル一眼レフのレンズに必要な性能についても前作同様に詳しい紹介がありますのでレンズ選択の基礎知識として役立ちます。デジタルカメラ特有の面間反射の解説などに加え、今回の本ではレンズの屈折率の違いが引き起こす色収差についてきちんとした解説がでています(輪郭が紫になる現象など)。この本ではこの現象に対してRAWモードでのレタッチによる補正もでています。悪いレンズの癖を消してしまうなどということは銀塩時代には考えられませんでしたから、それだけでも感激ものです。
本書はAFニッコールレンズを中心とした解説となっています。取り上げられているカメラはニコンのD2系、D70S、D50などですが、一見見栄えの良い写真を撮れるママカメD50ではなく、D70Sの作例が多いのもD70系のファンには嬉しいところです。ニッコールレンズが使えるニコン以外のカメラとしてフジのS3proがあります。カメラとしての機能はともかくとして、画質的には(個人的に独断ですが)最高のものであると思います。特にダイナミックレンジの広さはすばらしいものがあります。フジのS3proの作例とカメラ紹介があるのもこの本の美点です。